[ その他 ]
(2017/7/20 05:00)
省資源・軽量化を実現
【小型高性能の旋回流式気液分離器】
冷凍サイクル配管や部品などの設計・製造を手がける日冷工業(栃木県栃木市、上杉昌弘社長、0282・43・3311)が、気液分離の高効率と小型化を目指して開発したのが「小型高性能の旋回流式気液分離器」だ。小型化で省資源と軽量化を実現した。志田浩二取締役開発設計部長は、「最終製品の機械室に余裕を持たせたり、運搬コストの低減にもつながる」と期待する。
これまで、マイクロ蛇腹溝構造で表面張力を活用する小型気液分離器などを、ルームエアコン向けに開発してきた。ただ、オイルセパレーターはガスが多い分、液体が少ないため「製品サイズが大きくなったり、マイクロ蛇腹など部品点数が多く、原価高になりつつある」(志田取締役)。そのため、オイルセパレーターでも、効率良く分離できる同製品の開発に踏み切った。
循環量など同一条件では、「表面張力式と比べて40%程度のコスト削減につながる」(同)とする一方、「用途ごとに柔軟な分離方式を提案できるように、表面張力式の製造も継続する」(同)と強調する。
実験環境の整備は環境試験装置メーカーなどに依頼もできるが、志田取締役は「思うがままに柔軟な環境を作りたい」と、自社での整備にこだわり、四つの試験室を社内に設けた。製品の評価などは東京大学の鹿園直毅教授など有識者らから知見を得た。評価では内部の挙動を見てもらう必要性から、試験用は本体表面をガラス構造にするなどした。
鹿園教授は「冷凍空調サイクルの技術開発には高圧での実験が必要だ。同社は系統的な実験を数多く重ねて、気液分離器の高性能化を実現した」と評価する。
現在は自動車分野での需要を見込み、水素ステーション向けの気液分離器の試験を進めている。志田取締役は「燃料電池に限らず、さまざまな市場に対応できる装置開発に取り組み、二相流の条件で気液を分離するといった需要すべてに挑戦したい」と意気込む。
(栃木・前田健斗)
(木曜日に掲載)
(2017/7/20 05:00)
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