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[ 中小・ベンチャー ]
(2017/7/25 05:00)
【川越】埼央エンジニアリング(埼玉県鳩山町、佐藤茂社長、049・296・3277)は、持ち運び可能な小型軽量の6サイクル汎用エンジンを開発した。電力の普及が遅れている途上国向けに発電機や給排水ポンプ、農業機械などでの利用を見込む。価格は一般的な4サイクルエンジンの8割程度の3万円台半ばに抑える。
ところざわ自動車学校(同所沢市、澤田福衛社長、04・2922・6231)との共同開発。サイズは長さ、高さ、幅ともに約30センチメートル。重さが約13キログラム。量産時には「カムギアとクランクギアを中に収納し、マフラーとタンクも小さくするので幅と長さは3センチメートルほど縮小できる」(佐藤社長)としている。重さも約12キログラムになる見通し。
排気量は200―400cc。排気ガス再循環装置により排ガスを最大で半減できるため、環境負荷も低い。燃料はガソリン、液化石油ガス、灯油、アルコールに対応可能。カセットボンベも使えるようにする。
製造と販売は他社に委託する。現在、あるメーカーと協議中で「日本からノックダウンで輸出し、マーケットで現地生産することにより、コストをさらに抑える」(同)考え。遅くとも年内の量産開始を目指す。
当初、6サイクルエンジンでは自動車用途を狙っていたが、「試験データが出せないので国の認可がなかなか降りない」ことから方針を転換。まずは「途上国に低価格で低燃費、低排出ガス、そして耐久性の高い6サイクルエンジンを小型軽量化して出すことにした」とし、アジアやアフリカ、中南米への展開を図る。
6サイクルエンジンは、4サイクルと2サイクルの作動を交互に行う複合式。燃料を2回燃焼させてクランクシャフトを3回転させるため、4サイクルに比べ馬力が約2割増。「燃料の消費効率も4サイクルより良いのは間違いない」という。さらにクランクシャフトのカムに特殊な形の「ボールカム」を採用したことで製造コストも抑えている。
(2017/7/25 05:00)