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[ 環境・エネルギー ]
(2017/7/28 05:00)
ダイヘンは11月にも複数企業の工場や施設にまたがる形で、各所にそれぞれ備える蓄電システムを遠隔制御・統合管理し、一つの発電所のように需給調整する実証実験を始める。複数社と業務用蓄電システムを制御するエネルギー管理の契約に向け、協議に入った。実証には多数のエネルギー源を協調制御できる独自の技術「シナジーリンク」と蓄電システムを活用する。顧客ニーズ把握や評価を進め、2018年に本格展開したい考え。
実証はバーチャルパワープラント(VPP、仮想発電所)構築に向けた経済産業省の補助事業で採択された。関西電力とも連係し、18年2月末まで行う。
協議先は明らかにしていないが、民間ゴミ処理場、大規模家電工場、大型商業施設を運営しているところなど複数社と進めている。ダイヘンの大阪府と大分県の工場を含む5拠点ほどで実証する。
同社はすでに大阪と大分の自社工場間で、太陽光発電や蓄電システムなどの設備を用いた実証は行った。この知見をベースに技術やシステムを向上し、新たな実証に取り組む。
顧客と蓄電システムの蓄電力量や消費電力量をあらかじめ取り決め、ピークカットなどの省エネを支援する。シナジーリンクは入出力制御を各電源機器に任せつつ、電力市場が求めるその時々で必要な総出力を電源機器全体へ示し最適値にすり合わせる。
複数社の拠点をまたいで余剰電力を取りまとめ、有効活用する仕組みの構築で再生可能エネルギー導入拡大を後押しする。
実証に先駆けて、シナジーリンクは社内LAN対応から、クラウド対応へ進化した。蓄電システム「ディソラパワーストレージパック」は、通信異常時も止めずにバックアップ制御できるように通信モジュールを改良した。
(2017/7/28 05:00)