[ 化学・金属・繊維 ]

鉄鋼各社の通期見通し、値上げ効果で業績改善 需要堅調が追い風

(2017/7/31 05:00)

  • 会見する新日鉄住金の栄敏治副社長

  • 会見する神戸製鋼所の梅原尚人副社長執行役員

鉄鋼大手各社の業績が回復してきた。新日鉄住金は従来示していなかった2018年3月期連結決算の業績予想について、値上げ効果などから経常利益が前期比71・9%増の3000億円になるとの見通しを公表。神戸製鋼所は中国で建設機械事業の業績が伸びていることなどから、同3月期連結決算の業績予想を、経常利益で従来見通しの500億円から550億円に上方修正した。世界経済の回復に伴う鉄鋼などの需要底堅さが、追い風になっている。

各社は製鉄の原料となる石炭の国際市況が16年秋以降に急騰したことなどを受け、相次ぎ値上げを打ち出したものの、原料の値上がりに追い付かず、17年3月期連結決算は減益または赤字転落が大勢となった。ここにきて鉄鋼需要が製造業を中心に堅調に推移する中で、値上げが徐々に浸透。原料価格の上昇に伴い、原料在庫の評価額が上振れたこともあり、各社の17年4―6月期連結決算は軒並み大幅に改善した。

  • 単位億円、増減率%、下段通期見通し、▼は赤字・マイナス

  • 単位億円、増減率%、下段通期見通し、▼は赤字・マイナス

  • 単位億円、増減率%、下段通期見通し、▼は赤字・マイナス

新日鉄住金は通期でも、値上げや在庫評価の効果で大幅増益になると予想。子会社の日新製鋼も同四半期の決算と併せて初めて公表した18年3月期連結決算の業績予想で、鋼材価格の上昇や在庫評価の改善を織り込み、経常利益が前期比2・7倍に増えるとの見通しを示した。神戸製鋼所は中国で油圧ショベルの販売が増えていることなどを上方修正の理由としたが、増益要因としては鋼材価格の上昇も挙げている。

各社は東京五輪・パラリンピック関連需要も今夏以降に顕在化すると見込み、収益改善を期待している。

(2017/7/31 05:00)

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