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[ 科学技術・大学 ]
(2017/7/31 05:00)
北海道大樹町のベンチャー企業「インターステラテクノロジズ」(IST)は30日、小型観測ロケット「MOMO(モモ)」1号機を同町の発射場から打ち上げた。高度100キロメートル以上の宇宙空間到達を目指したが、打ち上げ約80秒後にロケットとの通信が途絶したため、エンジンを緊急停止した。
同社によると、到達高度は30キロ―40キロメートルとみられ、宇宙には届かなかった。
モモは全長約10メートル、直径約50センチメートル、重さ約1トンで、エタノールを使う1段式の液体燃料ロケット。打ち上げから約4分後に最高高度100キロメートルに到達し、弾道飛行で約6分40秒後に海上に着水する計画だった。成功すれば、日本の民間企業が単独で開発したロケットでは初の快挙だった。
ISTによると、モモは打ち上げ後120秒間ロケットエンジンを噴射する予定だったが、同80秒後に機体から送られてくる姿勢や位置、速度などの情報が途絶えたため、予期しない場所に落下しないようエンジンを停止させた。ロケットは発射場から約8キロメートル離れた海上に落下したとみられる。
同社は機体を回収して原因究明を進め、再打ち上げを目指す。将来的には商用化し、科学実験などの打ち上げサービスを提供する方針。費用は1機数千万円程度で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の観測ロケットの10分の1を目標としている。(時事)
(2017/7/31 05:00)