[ 科学技術・大学 ]

大腸がん、生体切除せずに迅速診断−阪大、近赤外光で可視化

(2017/8/1 05:00)

  • 通常の細胞(阪大医学系研究科の石井優教授提供)

  • がん細胞を明確に識別できる(阪大医学系研究科の石井優教授提供)

大阪大学大学院医学系研究科の松井崇浩特任助教と石井優教授らは、生体組織を切除せずに、大腸がんを迅速に診断する方法を開発した。組織透過性の高い近赤外領域の「多光子励起イメージング技術」により、組織の表面からの観察で深部を可視化した。患者の負担が少なく、従来2、3日以上かかったガラス標本作製のための前工程が不要。

今後、複数のがん腫に展開し、実用化に向けて内視鏡などの医療機器への応用を目指す。

研究グループは生体組織の自家蛍光と、多光子励起イメージング技術の「第二高調波発生」によって組織の深部を可視化することに成功。大腸がんと非がんの細胞を、従来のガラス標本の顕微鏡画像と同様に識別できた。

ガラス標本作製に必要だった脱水やスライス、パラフィン処理、染色などが不要。組織の切除に伴う身体の負担や合併症も防げる。

画像データから細胞の核の大きさや基底膜の蛍光強度の算出も可能。二つのパラメーターから、がんと非がんを定量的に識別できる。他のがん腫でも診断条件を確立していく。

研究成果は英電子版科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。

(2017/8/1 05:00)

科学技術・大学のニュース一覧

おすすめコンテンツ

ゴム補強繊維の接着技術

ゴム補強繊維の接着技術

事例で解決!SCMを成功に導く需給マネジメント

事例で解決!SCMを成功に導く需給マネジメント

集まれ!設計1年生 はじめての締結設計

集まれ!設計1年生 はじめての締結設計

これで差がつく SOLIDWORKSモデリング実践テクニック

これで差がつく SOLIDWORKSモデリング実践テクニック

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン