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[ 科学技術・大学 ]
(2017/8/9 05:00)
東京理科大学基礎工学部電子応用工学科の谷口淳教授とオーテックス(東京都新宿区)の日和佐伸研究員らは、高硬度で防汚性を持つ紫外線硬化性樹脂を開発し、この樹脂にナノオーダー(ナノは10億分の1)の針状構造「モスアイ構造」を転写した。作製したモスアイ構造フィルムは、触っても壊れず、汚れも拭き取りやすい。スマートフォンなどのタッチパネルなどの用途を想定する。
モスアイ構造の金型原盤は理科大が保有する特許技術で作製し、ナノ寸法で転写できるナノインプリント技術で転写した。新開発の樹脂を用いて作製したモスアイ構造は、擦過試験に耐え、指紋の拭き取りも容易にできた。
触っても壊れないタッチパネル用反射防止フィルムとして使える。
さらに、モスアイ構造表面の水の接触角は150度以上と超撥水(はっすい)性を示すことから、この性質を利用した製品展開も見込める。
スマホやタブレットなどタッチパネル表面の保護のほか、視認性向上フィルムやディスプレーなどの視認性向上、太陽電池表面の反射防止用途などに使えると期待される。
反射防止効果を持つモスアイ構造を使ったフィルムはこれまでも、大型ディスプレーの表面などに使われてきたが、触ると壊れ、指紋が付くという問題点があった。
(2017/8/9 05:00)