[ 機械 ]
(2017/8/21 05:00)
【千葉】藤井製作所(東京都江戸川区、藤井隆社長、03・3651・9176)は、栗本鉄工所と共同で、鉛を含有しないで切削性を維持できる快削りん青銅棒を開発した。鉛の代わりに数種類の元素を添加するとともに、熱処理の温度など加工工程を工夫することで実現した。今後、大手精密機械メーカーに試験的に供給し、2018年夏に本格的に販売する計画だ。
電子部品を対象とする欧州特定有害物質規制(RoHS)や、自動車向けのELV指令で、銅合金の鉛含有率は4・0%未満に適用が除外されているが、環境意識が高まる中、今後、さらに鉛に対する規制が進む可能性がある。
ただ、鉛の含有率を低くすると、旋盤などで加工する際に切削くずがつながり、刃物やワーク(加工対象物)に絡まるという問題がある。そのため鉛の含有率が低く、切りくずが分断される快削りん青銅棒が必要とされている。
そこで規制の強化に先行して藤井製作所は栗本鉄工所と鉛フリーの快削りん青銅棒を開発した。環境に対する大きな配慮が求められる製品を製造する企業向けに拡販する。
すでに藤井製作所は快削りん青銅棒に関して、鉛の含有率が1・5―2・0%の「FX418」、同0・7―1・0%の「FX408」を開発している。今回の鉛フリーの「PbFree」で、よりきめ細かく取引先のニーズに対応できるようになる。
同社の17年9月期の売上高は前期比13%増の17億円の見込み。このうち快削りん青銅棒の比率は40%で、将来は環境意識の高まりを背景にさらなる比率アップを目指している。
(2017/8/21 05:00)
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