[ 機械 ]
(2017/8/22 05:00)
環境配慮設計を導入 年度内に試作品
【長野】長野県工業技術総合センターと東京精電(東京都杉並区、辰野昭司社長、03・3332・6666)は、アルミニウム電線を使った変圧器の共同研究を始める。同変圧器は軽量で環境負荷が低い半面、接合技術などの課題から実用化できてない。そこで環境に配慮した設計技術の普及を進める長野県工技センターが支援し、2017年度末までに試作品を製作する。これをベースに東京精電は製品化を目指す。
研究対象は、大型設備に内蔵する50キロ―150キロボルトアンぺアの大容量変圧器。コイルに使う巻き線の材質を銅からアルミに変えるための技術的な課題や環境への影響を評価しながら研究する。
長野県工技センターは、17年度の次世代産業創出共同研究テーマの一つとして採択。電気的な特性が違う銅とアルミを接合するロウ付け技術や知見で助言する。さらに、環境調和型品質機能展開(QFDE=用語参照)による環境配慮設計を導入。環境影響評価(LCA)と連係させて付加価値を高める。
東京精電は試作品完成後に自社製品に採用。将来はニーズに沿った製品を目指す。
アルミは銅に比べ軽量で安価ながら導電率は銅の3分の2。同じ性能にするにはアルミ電線が多く必要になる。この接合技術を含めて課題があるため、現状では同社も試作に留まっている。
東京精電は上田工場(長野県上田市)で変圧器、電源装置などを製造している。長野県工技センターは県内に拠点のある中小企業を対象に研究開発型への転換と新産業参入を支援する共同研究事業を12年から実施しているが、環境設計をテーマにするのは初めて。
【用語】QFDE=曖昧な顧客の要求を工学的に測れる尺度に展開する設計手法「QFD」がベースとなる。これに環境側面からの要求を取り込み、環境指向の製品開発の方向性を示す設計手法。
(2017/8/22 05:00)
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