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[ 科学技術・大学 ]
(2017/9/14 05:00)
酸性が強い水に好んで生息する緑藻の全遺伝情報(ゲノム)を解読し、適応メカニズムを解明したと、国立遺伝学研究所(静岡県三島市)や豊橋技術科学大学(愛知県豊橋市)、東京農業大学などの研究チームが発表した。論文は米科学アカデミー紀要電子版に掲載された。
藻類のクロレラやミドリムシなどが健康食品として市販され、油分が多い藻類をバイオ燃料に使う研究も進んでいるが、屋外施設で安く大量生産する場合、アメーバなどに食べられたり、別の微生物が繁殖したりする問題がある。
遺伝研の宮城島進也教授は「今回の研究成果を応用し、酸性の水で生産できるよう改良すれば、他の微生物の増殖を抑えられる」と話している。
研究チームは長野県北東部の硫黄鉱山跡で、酸性の沢の水から緑藻の一種「クラミドモナス・ユースティグマ」を採取。ゲノムを解読して中性の水を好む種と比較した結果、細胞内を中性に維持する細胞膜たんぱく質が多い一方、細胞内を酸性化するエネルギー生産経路が失われていることなどが分かった。
(2017/9/14 05:00)