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[ 医療・健康・食品 ]
(2017/9/21 05:00)
帝人は研究開発中の「小児先天性心疾患修復シート」について、2019年度にも製品化に向けた治験を実施する。現在、動物による安全性・有効性試験を実施し、データの取得に取り組んでいる。21年に製造・販売承認を申請し、22年の発売を目指す。手術後の患者の生活の質(QOL)を向上できる製品として訴求していく。
同シートは欠損した組織の補填(ほてん)や狭窄(きょうさく)部の拡大といった心臓血管手術に使用される。生体吸収性のポリマー糸と非生体吸収性のポリマー糸を組み合わせ、生体に吸収・置換されることで心臓の成長とともにシートが伸長することが可能だ。
14年から福井経編興業(福井市)、大阪医科大学と連携して研究を進め、シートの形状などを最適化してきた。
17年度の日本医療研究開発機構(AMED)の医工連携事業化推進事業にも採択されている。
福井経編興業で製造した原料を帝人が加工する方針で、今後、製造場所の検討も進める。承認取得後は、帝人メディカルテクノロジー(大阪市北区)に販売を移管する方針だ。
小児先天性心疾患修復シートは国内8億円、海外46億円の市場規模があると試算されている。そのうち国内はほぼ100%海外製が占める。だが、加齢とともに最適なシートに取り換えるため、患者は一生涯で2―3回の再手術が必要だった。
現在開発中の製品により「手術回数を極力減らせられる可能性がある」(ヘルスケア新事業部門)。患者のQOL改善を特徴に海外製からの置き換えを狙い、国産の医療機器拡大にも貢献していく。
(2017/9/21 05:00)
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