[ 機械 ]
(2017/10/5 05:00)
向陽エンジニアリング(堺市北区、山下直伸社長、072・257・8000)は、過負荷の回転力がかかっても壊れないラチェットギア「Nロックギア」を開発した。欧州向けの背もたれを倒せるリクライニング式ソファの機構部品として、2018年春に供給を始める。背面角度をギアで変える工場用ラックや、ディスプレーパネルの需要も開拓する。18年に1億円、20年に4億5000万円の販売を目指す。
Nロックギアはギアの歯とツメがかみ合い、ギアの回転角度を設定する。ツメは歯と背面の弾性樹脂の間にくさび状に挟まり、浮動する構造。ギアに過大な回転力が加わると樹脂が変形して歯からツメが外れるが、すぐに自然に元の形に戻るため、かみ合わせも回復する。
一般のラチェットギアはツメが固定され、過負荷で歯やツメが壊れやすい。耐荷重を高めるには部品を大型化するほかなかった。新機構について国内外で特許を出願する。
主に欧州へ輸出されるリクライニング式ソファの機構メーカーに、背もたれと座面の角度を可変できるギアとして納める。リクライニング式は、飛び乗りなどの大きな負荷で破損しやすいため、「壊れない夢のギア」(山下社長)として受注拡大を見込む。
従来の同様なギアと比べ、部品数は半減の7点で量産しやすい。重量も3分の2に軽量化した。単価は未定とするが、同様なギアより20%程度安くなる見込みという。向陽エンジニアリングは、多様な産業機械の機構部品開発を手がけている。
(2017/10/5 05:00)
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