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[ 自動車・輸送機 ]
(2017/10/13 05:00)
川崎重工業は2019年度から、造船の主力拠点である坂出工場(香川県坂出市)で鉄道車両部品を生産する。造船向けの加工棟や人員を転用し、台車部品の製造ラインを新設する。川重は20年度までに国内の造船事業の規模を3割縮小し、中国建造にシフトする方針で、坂出工場の活用方法が焦点だった。鉄道車両はアジアで累計約2000両の円借款計画がある。川重は有力案件を抱えており、19年度に全社の年産能力を現状比30%増の700両規模に高める。
坂出工場は船舶に加え、新たに鉄道車両を手がける体制となる。工場の稼働率や協力会社の仕事を確保できるようになる。
船体ブロック製作で培った鉄板の切断や溶接の技術を生かし、当初は20―30人を鉄道に振り向ける。台車枠など台車部品を生産する。加工した台車部品は兵庫工場(神戸市兵庫区)で台車に組み立てる。
坂出工場の船舶建造は、液化天然ガス(LNG)船や液化石油ガス(LPG)船など高付加価値船に絞る。複数ロットを受注した場合も、1番船を坂出工場で建造し、残りを中国で建造する。
川重は全社で鉄道車両の生産体制増強を進めている。播磨工場(兵庫県播磨町)では、車両の配線取り付けなどを担う艤装(ぎそう)ラインや検査・機能試験の設備を整備する。19年度に製造を始める。同工場では現状、貨物列車の貨車を製作している。
兵庫工場でもステンレス車体ラインを増強する。投資額は兵庫、播磨、坂出の3工場で数十億円を計画。協力会社を含む人員は兵庫と播磨の2工場合計の3000人強から、18年度に3工場で約300人増える。
川重は8月にバングラデシュで都市交通向け鉄道車両144両を受注。同国で2路線の追加受注が濃厚なほか、フィリピンなどでも円借款案件が見込める。受注増をさばくには、生産体制の増強が不可欠と判断した。
(2017/10/13 05:00)