[ その他 ]
(2017/10/23 05:00)
【継ぎたくなかった】
世代交代を機に事業構造を大きく変えた長寿企業。ダウンジャケットの新興ブランドであるナンガ(滋賀県米原市)もその一つだ。創業70年超の老舗企業でもともとはこたつ布団の縫製請負業。2代目の父が寝袋などアウトドア製品でブランドを確立していた。
そして3代目社長が2009年に就任した横田智之社長。1999年に入社した。「長男としての責任感から継いだが、できれば継ぎたくはなかった」と横田さん。山野さんが仕掛けた「後継者ゼミ」に講師として参加するが「学生と話しても、やはり同じ気持ち。継ぎたいと思って継ぐ人は少ないのでは」と本音を語る。
ただ親と同じことをしたくないという反骨心が、企業の成長につながった。
「覚悟した以上は結果を出さないと」。そんな思いでいた時に飛び込んできた仕事が、アパレルメーカーからのダウンジャケットのOEM(相手先ブランド)生産。2005年のことだ。父に相談し、チャンスと思い受注。もっとも、この時は納期に遅れた上に赤字となり、父からはこっぴどくしかられた。
【売上高が逆転】
2年後に再び依頼された時は納期も利益もクリア。OEM生産で直実に実績を積んだ結果、セレクトショップとの取引にもつながった。社長就任後は、ダウンジャケットを中心にウエア事業をさらに伸ばし、いまや寝袋との売上高の割合は7対3と逆転。ナンガの単独ブランドもジワジワと伸び、ウエア事業の2割を占める。
父の助けは借りずにウエア事業を立ち上げたが「寝袋の事業があったからこそ」と横田さん。
父の仕事を間近で見てきたことも生きた。現在は世界的ブランドの確立という挑戦が始まったところだ。
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(2017/10/23 05:00)
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