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(2017/10/24 05:00)
【承継の新たな形】
経営者の高齢化が加速する中小企業では、今後10年間で半数の約200万社が世代交代期を迎えるとみられる。
少子化で、社外に後継者を求めたり、M&A(買収・合併)で他社に事業を譲渡したりすることが、事業承継の新たな形として現実味を増している。
年商約10億円。20人ほどの従業員を抱える都内の卸会社は、事業承継をめぐり状況が二転三転。他社に事業譲渡されるまで多大なエネルギーを費やした。
つまずきのきっかけは、先代経営者の死去で全く事業経験のない娘が取締役に就任したことだった。旧知の同業者や幹部社員に社長就任を打診したものの断られ、やむなく自身が後継社長に就任。ところが取引先からは難色を示され、事業存続の危機に直面する。
一連の相談に応じていた公的機関では、同社の事業価値を前向きに評価。従業員も事業継続を望んでいたことからM&Aによる事業継続を提案した。民間の仲介業者を通じて数カ月後には承継が成立し、買い手企業のグループ会社として事業と雇用が守られた。
後継者不在の中小企業の事業を起業意欲のある社外の人材や他の企業に引き継ぐことを「事業引継ぎ」と総称し、政府はさまざまな施策を講じてきた。
中小企業を専門とするM&A仲介は採算に乗りにくく、ビジネスとして育ちにくいことも施策強化の背景にある。
【「理念」受け継ぐ者】
経営者にとって自身の引退を想起させる事業承継には積極的に踏み出せないのが本音。だが企業の持続的な発展には、自身の経営理念を受け継ぐ者が必要だ。
計画的に準備を進めることは、経営者にとって最大の、そして最後の「成長戦略」なのかもしれない。
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(2017/10/24 05:00)
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