[ ロボット ]

ドローンの衝突回避センサー、ソシオネクストが年内実用化

(2017/11/9 05:00)

  • 障害物を検知してドローンの衝突を回避できる半導体チップ(本体前面)

ソシオネクスト(横浜市港北区、井上あまね社長、045・568・1000)は、飛行ロボット(ドローン)の衝突回避向け半導体チップを開発した。対象物に当たって反射したミリ波をセンサーでとらえることで障害物を検知し、衝突前に回避する。約10メートル離れた所から障害物を検知でき、3メートル程度手前から避けられる。ドローンメーカーなどと協力し、早ければ年内の実用化を目指す。

すでにドローンメーカーと共同で製品の開発を進めている。ドローン内部に組み込む形での実用化を視野に入れる。量産体制の構築にも着手する。

心拍の検出などヘルスケア向けに展開している独自のミリ波センサーを応用した。同センサーと制御用マイコン、受信アンテナなどを組み合わせてワンチップに収めた。ミリ波センサーが障害物を検知し、制御マイコンが障害物までの距離データを受けて回避動作を制御する。電波を反射する物体であれば、大きさに関わらず検知できるという。回避を始めるまでの距離は、個別に設定することも可能だ。

ソシオネクストはパナソニックと富士通のシステムLSI部門が統合して、2015年3月に設立した。17年3月期の売上高は1132億円、営業利益は15億円。20年までの新規株式公開(IPO)を目標に掲げており、主力の画像処理半導体に加えて、新規事業の育成を強化している。

現在、既存の半導体を組み合わせてソリューション化することで用途拡大を進めている。ドローンの衝突回避用半導体は、その一環になる。加えてサーバーの開発・販売事業にも参入した。業容を拡大して利益率の向上を図っている。

(2017/11/9 05:00)

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