[ ICT ]
(2017/11/11 05:00)
ロシアの情報セキュリティー大手、カスペルスキーは9日、2017年上半期(1-6月)の産業用制御システム(ICS)に対するサイバー攻撃の状況について、レポートを公表した。それによれば、同社ユーザーが持つ数万台のICSコンピューターのうち37.6%で攻撃を検知し、16年下半期(7-12月)との比較では1.6ポイント減。攻撃を受けたシステムのうち、約3分の1が製造業に属するという。
今回、攻撃を検知したICSコンピューターは国別ではベトナムが71.0%と最も多く、とくに5位の中国(57.1%)への攻撃が増加しているという。日本は21.9%だった。
また、業種別での割合は、原材料・装置・製品など製造関連が31.0%と最も多く、エンジニアリング(24.5%)、教育(14.5%)、食品・飲料(9.7%)、エネルギー(4.9%)の順。感染ソースはインターネット経由が主体で、ICSコンピューターの20.4%でマルウエア(悪意のあるプログラム)のダウンロード、既知の悪意あるウェブリソースやフィッシングサイトへのアクセスを検知したという。うち、日本ではメール(10.1%)が感染源のケースが最多で、インターネット経由は2番目(8.0%)だった。
カスペルスキーの重要インフラ保護部門責任者は今回の報告書の内容について、「ICSコンピューターに対する全攻撃の約3分の1が製造業という調査結果は、企業の産業用自動化システムがサイバー攻撃による損害を受け、事業全体に深刻な影響が及ぶ危険性が高いことを意味する。今年上半期では暗号化型マルウエアの活発な拡散も確認しており、この傾向は今後も続く」とコメントしている。
(2017/11/11 05:00)