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[ 科学技術・大学 ]
(2017/11/24 05:00)
【名古屋】名古屋工業大学の宮崎秀俊准教授らは、高性能で環境負荷の低い熱電変換材料を開発した。鉄、バナジウム、アルミニウムを原材料とし、変換性能は400―500度C程度がピークで、900度Cまで変換可能。従来のビスマステルル合金や鉛テルル合金のように、有害であったり、高価な元素であったりしない。自動車部品メーカーなどと共同で2022年をめどに量産技術を開発して実用化する。
熱電変換材料は、排熱を回収し、熱を電気に直接変換する。高温域と低温域の温度差によって材料内で電子が動いて電流が発生する仕組みだ。原材料の違いによって電子が高温域から低温域に動く材料と、低温域から高温域に動く材料を作り分け、交互に組んで回路を形成する。
熱は自動車の排ガスや工場設備の排熱の利用を想定する。自動車部品メーカーや産業技術総合研究所と共同で、自動車のマフラーの外周に装着して熱を回収する仕組みでテストしている。
複数の原材料のバランスやほかの金属材料を混合するなどでより少量でも出力100ワットを出せるように改良する計画。
自動車の排ガス利用のほか、室温との小さな温度差を利用してIoT(モノのインターネット)センサーなどセンサー用電源としての活用を見込む。工場設備向けには高温でも変換性能が高い材料を開発する。
同じ材料での熱電変換材料の研究開発は海外では行われているが、国内のほかの研究機関は撤退して現在はないという。
熱電変換による発電は可動部が不要で半永久的に使用可能。持続可能な社会を実現できる材料として実用化を目指す。
(2017/11/24 05:00)
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