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(2017/11/28 05:00)
「第55回技能五輪全国大会」が27日閉幕し、全42競技の成績が発表された。都道府県別の最優秀技能選手団賞は愛知県選手団が13連覇を達成し、金メダルの獲得数も9個とトップだった。地元・栃木からは過去最多の4人の金メダリストが誕生。釜和明大会会長(中央職業能力開発協会会長、IHI相談役)は「次代の日本を担う人材になることを期待する」と選手をたたえた。(特別取材班)
企業別ではトヨタ自動車とデンソー、日立ハイテクノロジーズ那珂地区が、金メダルをそれぞれ4個獲得し、首位となった。トヨタは「電子機器組立て」で3年ぶり、「車体塗装」は2年連続の金メダルとなった。
デンソーは「機械組立て」で、初出場の岩堤翔也選手が金メダルを獲得。さらに今回から正式種目の「移動式ロボット」では圧倒的な力を見せつけた。日立ハイテクは「フライス盤」で前回敢闘賞の菊池優斗選手が雪辱を果たし、金メダリストとなった。
地元の栃木勢も活躍し、4人の金メダリストを輩出した。「レストランサービス」の別井悠莉選手と「洋菓子製造」の高堀有以選手は「(金メダルが)まだ信じられない」と喜びの涙を流した。次回は2018年11月2日に沖縄県で開催される。
■優勝者喜びの声
【本番でいい点/機械組立て・岩堤翔也選手(デンソー)】
練習中もいい点がとれず、本番はいつも通りにできたといいつつも、点数が出てないと思っていた。金賞をもらえると思ってなかったので、非常にうれしい。
【自信あった/抜き型・小池悠太選手(デンソー)】
緊張していたので、ほっとした。厳しい戦いだったが、いつも通りやれば勝てる自信はあった。力を出し切れた。次回の出場はこれから決めるが、まずは今回を最高の結果で終えられた。
【やりきった/精密機器組立て・井上優太選手(セイコーエプソン)】
気持ちとしてはやりきった。本番は調子よくできたがミスがあり、最後までどうなるかわからなかった。2週間前の現地入りからギリギリまで調整を続けたのが勝因。
【喜び伝えたい/メカトロニクス・中澤洸介選手(日立ハイテクノロジーズ)】
課題終盤で苦労したが、パートナーが最後まで頑張ってくれたおかげ。前回は銅賞だったが、金賞で1年間の結果を出せた。難易度は高くなかったが、不良がないよう気をつけた。指導員や同僚、OBに喜びを伝えたい。
【感慨ひとしお/メカトロニクス・村山駿太選手(日立ハイテクノロジーズ)】
日ごろの訓練から意見の交換や情報共有をして、信頼関係を構築してきた。3年間同じペアでやってきて、最後の最後で取れた金メダル。感慨もひとしおだ。
【緊張せず/機械製図・井元健選手(日立製作所)】
素直にうれしい。緊張もせず、いつも通り作業をしっかり確実に行えたことが勝因になったと思う。今まで支えてくれた指導員、会社の方々に喜びを伝えたい。
【努力怠らずに/旋盤・丹野惠介選手(日立ハイテクノロジーズ)】
結果発表で名前が呼ばれた時は気持ちがいっぱいになった。3年目の今回、地道な積み重ねの成果が出せた。世界大会は別の種目になるが、努力は怠らずに頑張りたい。
【先輩に感謝/フライス盤・菊池優斗選手(日立ハイテクノロジーズ)】
優秀な先輩を目標に、とにかく全作業に自信が持てるように何度も練習した。またその先輩とも一緒に鍛錬して、金メダルを手にした。先輩に感謝したい。
【今後は指導者に/構造物鉄工・浜野元輝選手(豊田自動織機)】
受賞はコーチの指導あってこそなので、まず喜びを伝えたい。高得点を狙って課題に取り組んだが、ミスもあり金賞をとれると思っていなかった。今後は指導側にまわり、自分自身で考えて動ける選手を育てたい。
【極限まで練習/電気溶接・畑澤佑太選手(三菱重工業)】
最高。会社で誰も金メダルをとったことがなく、第1号になれてうれしい。絶対失敗しないように極限まで練習したかいがあった。今後は、後輩にしっかり伝えていきたい。
【頑張り実った/木型・松添美海選手(トヨタ自動車)】
勝てる自信がなかったので信じられない。3回目の出場で、これまで頑張ってきた自分の力が報われた。次の大会では2連覇、国際大会も目指して頑張りたい。
【やっと金/自動車板金・大野諒雅選手(SUBARU)】
敢闘賞、銀賞ときてやっと金を手にした。周囲の人に支えられ、基礎をしっかり見直しながら練習したことが奏功した。当社としても初の金メダルで、とても喜ばしい。
【精度に自信/曲げ板金・竹田弘平選手(マツダ)】
所々ミスがあったと思うので、外観には不安があった。ただ、寸法は確実に取れたため精度には自信があった。会場まで来てくれた母に、喜びを一番に伝えたい。
【有終の美飾る/電子機器組立て・阪田翔輝選手(トヨタ自動車)】
昨年は敢闘賞だったので、金メダルをとりたい一心で、ここまでがんばってきた。周りの方のサポートが大きかった。最後の大会で、有終の美を飾れて良かった。
【後輩に期待/電工・乾優樹選手(きんでん)】
不安でいっぱいだったが、選手期間はあっという間だった。毎日の積み重ねと周りで支えてくれた人の思いで手に入れた優勝。今回で最後なので、後輩たちに背中を追いかけてもらいたい。
【世界で金を/工場電気設備・小姓堂和也選手(日立製作所)】
1年目選手なので金賞を取れると思わなかった。職場の応援のおかげ。つらいこともあったが、やってきて良かった。次回も金賞を狙い、国際大会に進みたい。アブダビで敢闘賞だった先輩の悔しさを継ぎ、金を取る。
【勉強生かせた/自動車工・内尾咲斗選手(日産自動車)】
社内競技会でも2位ばかりだったので、今回は勉強し直して臨んだ。診断系の課題で、事前の勉強が生かせたことが金賞につながった。次回や国際大会に出る機会があれば、精いっぱいやりたい。
【努力が出せた/冷凍空調技術・岡田進也選手(オリオン精工)】
自分では失敗ばかりだと思っていたので、信じられない。悔いが残らないように競技に取り組んだ結果。日ごろの努力が出せた。次回は出られないが、後輩を指導したい。まずは指導員や同僚、家族に喜びを伝えたい。
【全力でやれた/ITネットワークシステム管理・由里浩毅選手(トヨタ自動車)】
この日のため必死に走り続けてきた2年間。課題が難しかったが、最後まで諦めずに全力でやれた。今回が最後なので自分が学んだことを後輩に伝えたい。
【力発揮できた/情報ネットワーク施工・志水優太選手(きんでん)】
力をしっかりと発揮でき、大会自体も楽しめた。周りの方の支援が大きく、大会中も言葉をいただき、励みになった。来年は2連覇して国際大会に行きたい。
【みんなに感謝/移動式ロボット・小原鷹斗選手(デンソー)】
まずホッとしている。勝因は訓練量だ。誰より多く練習した自信があった。次の大会でも金、国際大会でも金を目指したい。家族や指導者、みんなに感謝。
【金で恩返し/移動式ロボット・丸山真輝選手(デンソー)】
課題をどう進めるべきか、2人で考えながら取り組んで金メダルを手にできた。大会が始まるまで多くの人に協力してもらった。その結果を金という形で返せてうれしい。
各会場で熱戦が繰り広げられた栃木大会
(2017/11/28 05:00)