[ 機械 ]
(2017/12/12 05:00)
建設機械レンタル大手のアクティオ(東京都中央区、小沼直人社長、03・6854・1411)が林業分野を拡大している。スマートフォン(スマホ)を活用し、現場で作業の進捗(しんちょく)を入力できるシステムの提供を12月から始めた。林業専用のレンタル機も相次いで投入している。現場の生産性向上や機械化が求められる中で、林業を重点分野に位置付けており、需要の取り込みに向けて先手を打つ。
【新システム実現】
「バイオマス発電などで木材の需要が出てきている」―。中湖秀典専務執行役員は、木材の活用が林業向け機械やサービスの需要に結びつくことに期待を寄せる。
アクティオは晃洋設計測量(栃木県足利市)、弦間林業(山梨県笛吹市)と連携し、新システム「フォレスト モバイル」を商用化した。スマホやタブレット端末から、作業時間や林業機械の稼働時間の情報を日報に入力して送信する。
「(伐採の現場で)チェーンソーの利用後に、紙の日報に書こうとしても手が震えて書きにくい」(アクティオ)という。事務所に戻って作業内容をまとめる必要もなく、業務を効率化できる。
さらに、現場の監督者も進捗をリアルタイムに把握が可能。経験に頼った判断ではなく、作業者からの情報をもとにして的確に指示を出せる。林業関係者の働き方を改善するシステムだ。
【業務全般対応】
また、林業向け新型機2機種のレンタルを12月から始めている。木材の搬出車両(フォワーダ)の代替として顧客の拡大を狙うのが、「アームロール車」と呼ぶダンプカー。フォワーダよりも走行速度が速く、用途に応じて3種類の荷台を利用できる。
成長して幹が太い木材を一定に切りそろえる林業機械も投入した。アーム部分を従来よりも短くすることで、作業の安定性を確保した。
国内の林業を世界レベルで見れば、機械化が遅れており、林業機械の需要が今後高まることが見込まれる。建機のレンタル事業で競争力を持つアクティオにとっても、林業分野では顧客を開拓する余地が残る。林業機械に加え、フォレスト モバイルも提供することで林業の業務全般に対応する製品・サービスをそろえたといえそうだ。
(2017/12/12 05:00)