[ 中小・ベンチャー ]

走行映像から3D地図 岩根研究所、システム改良で速度・精度向上

(2017/12/12 05:00)

  • 高精度モバイルマッピングシステム「IMS5」を改良した

【札幌】岩根研究所(札幌市中央区、岩根和郎社長、011・643・0872)は、独自のCV(カメラベクター)技術などを活用した高精度モバイルマッピングシステム「IMS5+」の提供を始めた。自動車などに全周囲カメラやセンサーなどを搭載し、撮影しながら走行するだけで映像から3次元地図を作成することができる。機材とソフトの一式で価格は3500万―4000万円程度。2年間で30台の販売を目指す。

IMS5+は、従来の「IMS5」に比べて毎秒のフレーム数が増え、撮影速度を上げることが可能となり、高速道路の撮影もしやすくなるなどより正確な地図データをより早く取得できるように改良した。

CV技術はレーザー点群などを用いずに、全周囲カメラで撮影した映像から特徴点を算出するなど、自己位置や対象物などに座標を割り出す。全地球測位システム(GPS)などのデータも活用し、3次元位置座標と地図を高精度で即時に作ることができる。

高精度モバイルマッピングシステムは国土地理院の500分の1地図と同等の精度を実現する。極寒のロシアや乾燥帯のサウジアラビアで実績もあり、さまざまな自然環境にも対応できる耐久性も持つ。同システムの技術は自動運転やスマートシティーの実現などにも生かせると見る。子会社のアクアコスモス(東京都中央区)では「もう一つの地球を作る」(岩根社長)と、高精度3次元地図データベース化事業も進めている。

(2017/12/12 05:00)

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