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[ 建設・住宅・生活 ]
(2017/12/12 19:00)
鹿島に協力依頼、JR東海から情報入手か
リニア中央新幹線工事の入札不正事件で、名古屋市内の非常口新設工事を受注した大手ゼネコン大林組(東京)が、最後まで入札を競う形となった鹿島(同)より約1割低い価格で応札していたことが12日、関係者への取材で分かった。
同工事では入札情報が発注側のJR東海社員から漏れた疑いが浮上。東京地検特捜部は不正に得た情報を利用し、大林組が確実に受注を図ろうとしたとみて実態解明を進めている。
関係者によると、不正が疑われているのは、名古屋市内の公園跡地に深さ約90メートル、直径約40メートルの縦穴を開ける「名城非常口新設工事」。
この入札でJR東海は、広く参加企業を募る「公募競争見積方式」を採用した。企業から提案を受けた施工方法や見積価格などを総合評価し、優先的に協議する相手を選定。その後工法や価格面を個別に協議し、契約先を決める仕組みだった。
当初は4~5社が受注意欲を示していたが、提案内容がJR東海の要求水準に見合っていなかったことから徐々に脱落。最後は大林組と鹿島の一騎打ちの形となった。
大林組はこの間、同社が受注できるよう鹿島に協力を依頼するとともに、JR東海の社員から非公開の入札情報を不正に入手したとされる。
関係者は、鹿島が最終的に提示した価格は約100億円だったと指摘。これに対し大林組は約1割低い約90億円を提示し、同社と戸田建設(東京)、ジェイアール東海建設(名古屋市)で組む共同企業体(JV)の受注が昨年4月に決まった。
特捜部は、入札情報を漏らしたJR東海の社員や鹿島の担当社員らから任意で事情を聴き、当時の経緯について解明を進めている。(時事)
(2017/12/12 19:00)