[ ICT ]
(2017/12/14 05:00)
ロシアのITセキュリティー大手、カスペルスキー研究所の製品に対し、米国や英国の政府機関で利用を停止する動きが相次いでいることについて、同社の日本法人カスペルスキー(東京都千代田区)の川合林太郎社長は13日、「匿名情報での報道に基づいた措置であり、(ロシア政府のスパイ行為に加担したという)技術的な論拠が一切示されていない」と強く反論した。
カスペルスキー研究所のウイルス対策ソフトを利用してロシア政府が米英の政府機関のネットワークに侵入し、機密情報を物色していた、あるいはその恐れがあるとの疑惑に対するもの。日本法人が13日に都内で開いた「サイバーセキュリティフォーラム」での冒頭あいさつで述べた。
カスペルスキー研究所は、これまでにもロシア政府の諜報活動とかかわりがあるという疑惑を再三否定してきた。川合社長も同日、カスペルスキー研究所がソフトウエアなどの共通脆弱性を管理する米国の非営利組織から協力機関として9月に認定されたことや、国際刑事警察機構(インターポール)と脅威インテリジェンスについての協定を10月に更新した例などを説明。外部の独立機関によるソースコードの検証といった透明性を高めるための取り組みも進めているとし、理解を求めた。
その上で同社長は「疑わしきは罰せずという推定無罪は近代法の基本であり、その原則を無視して米国が国家として裁定を下すのは残念。疑惑ばかりでなく、カスペルスキーのこうした前向きな活動も知ってもらいたい」と強調した。
(2017/12/14 05:00)