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[ 科学技術・大学 ]
(2017/12/24 07:00)
温暖化影響、長野は50年代前後に消滅
山形大の柳沢文孝教授(地球化学)は21日、山形市の蔵王などにある巨大樹氷の分布域が、1920年代以降、温暖化の影響で徐々に狭くなっていると発表した。今世紀中にも、巨大樹氷が国内から姿を消す可能性があるという。
木に雪や水分が付着してできる樹氷は、日本海から適度に離れ、標高が高い場所に常緑針葉樹がある場所でよく見られる。中でも、木全体が氷雪の塊に覆われた巨大樹氷は「アイスモンスター」と呼ばれる。
柳沢教授によると、以前は長野県にもあったアイスモンスターは、50年代前後に見られなくなった。現在は、蔵王や八甲田山(青森県)など東北地方の一部に限られる。蔵王でも、40年代には標高1300メートル地点から存在したが、同1600メートルより上に分布域が狭まっている。
山形市の冬の平均気温は、過去100年で約2度上昇した。柳沢教授は、同じペースで上昇が続いた場合、今世紀末にもアイスモンスターが消滅する恐れがあると指摘。「気温の変化に敏感な樹氷は、地球環境のセンサーとも言える。貴重な観光資源なので守っていかなければ」と話した。(時事)
(2017/12/24 07:00)