[ ロボット ]
(2018/1/24 05:00)
経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は23日、10月に開催する「ワールド・ロボット・サミット(WRS)2018」の競技者募集を始めたと発表した。期間は3月15日まで(インフラ・災害対応は2月28日まで)。「ものづくり」「サービス」「インフラ・災害対応」「ジュニア」の4カテゴリー9種目で競技を実施。賞金総額1億円以上を予定する。
同日の閣議後会見で世耕弘成経産相は「ロボットは単なる夢の世界を超えて現実の社会問題を解決するとともに、産業として経済をけん引する存在。世界で強い期待が寄せられている」と強調。WRSについて「ロボットの研究開発と社会実装を加速するための国際大会」と述べた。
サポートキャラクターには「ドラえもん」が選ばれた。世耕経産相は「人間とロボットの協調を象徴するキャラクターとしてふさわしい」と語った。ロボットの利活用を進めている先進的な地方自治体と連携し、各地域で実際に活躍するロボットの紹介なども行う。
WRCでは、(1)ものづくり(2)サービス(3)インフラ災害対応(4)ジュニア―の4カテゴリー・9種目で技術開発を競う。「製品組立チャレンジ」ではベルト駆動ユニットを組み上げる。
ベルトは持つたびに形が変わるため、形状認識や作業が難しい。大会を通じて最先端の技術を求める。優勝賞金は1500万円に設定した。
サービスカテゴリーからは3種目、家庭とコンビニでのロボット利用を競技化した。「パートナーロボットチャレンジ」ではトヨタ自動車の「HSR」を標準機として提供し、実機とVR(仮想現実)の2種目で技を競う。部屋の片付けや案内、誘導などを行う。その上で、自由に機能を開発できるオープンタスクを取り入れた。トヨタの標準機をベースに多様なアプリ開発を促す。実機とVRともに優勝賞金は1000万円。
「フューチャーコンビニエンスストアチャレンジ」はセブン&アイ・ホールディングスがスポンサーとなり、コンビニ店舗への技術導入を目指す。商品棚に弁当やおにぎりを並べたり、消費期限を過ぎた商品の回収廃棄などに挑戦する。ロボットと電子値札などとの連携が見所になる。
トイレ掃除や接客、陳列など、競技課題ごとに賞金を設定し、種目総額は1390万円。
インフラ災害対応カテゴリーは「プラント災害予防チャレンジ」と「トンネル事故災害対応復旧チャレンジ」、「災害対応標準性能評価チャレンジ」の3種目で構成する。どの種目も優勝賞金は1000万円。施設の日常点検から異常検知、事故後調査、救助復旧まで幅広い課題に挑戦する。インフラ保守や災害予防は自動化需要が大きく、安価で優れた技術にはすぐに買い手がつく分野だ。
ジュニアカテゴリーの「スクールロボットチャレンジ」にはソフトバンクの人型ロボット「ペッパー」が標準機として提供され、「ホームロボットチャレンジ」はロボット教材などで技を競う。19歳以下の大学生と小中高校生が、学校や家庭での困りごとの解決に挑戦する。
展示会では競技会のロボット技術を実演したり、すでに現場で活躍するロボットを紹介したりする。技を競う競技会と、紹介する展示会を組み合わせて、相乗効果を狙う。世耕弘成経産相は「ロボットの研究開発と社会実装を加速させる」と力を込める。
(2018/1/24 05:00)