- トップ
- 科学技術・大学ニュース
- 記事詳細
[ 科学技術・大学 ]
(2018/1/24 05:00)
文部科学省は23日、30億電子ボルト級の電子エネルギーを持つ軟X線向けの「次世代放射光施設」の建設に向けて、ともに計画を推進するパートナーとなる地方公共団体や民間企業の募集を始めた。学術分野だけでなく、創薬や材料開発といった産業分野の利用を多く見込むため、民間の知恵と資金を活用する。こうした大規模な国の研究施設の建設に、民間資金を導入するのは珍しい。書類の提出期限は3月22日正午。6月初旬にパートナーと建設地を公表する。
施設の整備に向けては、地域や産業界とともに、「官民地域パートナーシップ」によって計画を具体化させる方針。設備費用の総額約340億円のうち、基本建屋やビームライン、設備用地などの整備として、150億円程度の財源負担をパートナーに求める。2023年度ごろの運用開始を目指す。
パートナーは必要な条件を満たせば応募でき、計画段階から運用まで積極的に関わることが可能。地域に新たな産業を起こし、地方創生の柱にできる。国の整備・運用主体は、量子科学技術研究開発機構が担う。
「スプリング8」など硬X線の大型放射光施設は物質の構造解析が得意。一方、高輝度の軟X線施設では、物質表面の電子状態の変化を時間的にとらえられるため、物質の機能理解まで可能になる。
国は同施設を「次世代放射光施設のプラットホーム」とし、本格的な産学連携を実践する場と位置付ける。米国や台湾、スウェーデンなどでは、既に高性能な軟X線向け放射光源が稼働している。
(2018/1/24 05:00)
科学技術・大学のニュース一覧
- 建築物の外壁面調査用ロボ、20年めどに実用化−豊橋技科大など(18/01/24)
- 京大、高分子合成法を開発 モノマーの配列を制御(18/01/24)
- 拓く研究人(184)名古屋大学大学院工学研究科教授・長野方星氏(43歳)(18/01/24)
- 文科省、「次世代放射光施設」建設でパートナー募集(18/01/24)
- 阪大、光電変換効率9%の非晶質太陽電池素子を開発 独研究所と連携(18/01/24)
- 金井さんの宇宙からのつぶやき(11)大東京の明かりは強烈(18/01/24)
- 情報通信研究機構など、小型原子時計システムを開発(18/01/24)
- 経営ひと言/政策研究大学院大学・角南篤教授「予算少なすぎ」(18/01/24)