[ 機械 ]
(2018/2/1 05:00)
【スマートファクトリーの核となるスマートマシンMU−S600V】
2台、3台、4台と左右に連結して使うことで、真価を発揮する5軸立型マシニングセンター(MC)。1台目で加工したワーク(加工対象物)を2台目に自動的に搬送し、次の加工に移れる。搬送ロボット要らずだ。
1台目でワークを載せたテーブルが右側に移動し、シャッター越しに2台目のテーブルにワークを渡す。家城淳専務は「今までにないやり方で自動化や無人化を実現できる」と自信を見せる。
搬送ロボットをMCの前に置く必要がないため、生産ラインをコンパクトにできる。製品自体も横幅が1400ミリメートルと短く、多数を連結してもスペースをとらない。
「ロボットを設置することのデメリットを考えた」―。宮脇祐輔商品開発部第四商品開発プロジェクト副参事は開発理由を説く。例えば、搬送ロボットを使う場合、切り粉や切削液がMCの外に出てしまう。連結したMC間で搬送できれば、よりクリーンな工場にできる。
発想を具現化するために、開発陣はさまざまなパターンを検討した。栗山和俊商品開発部部長は「基本構造を決めるのに時間をかけた」と振り返る。採用が決まったのが、主軸をMCの真ん中ではなく、やや左側に置く設計だ。通常は真ん中に置くが、左寄りにすることで、加工と受け渡しのバランスを良くした。
MC同士をぴったり連結するための工夫も凝らした。製品の左側の一部に出っ張りがあるため、右側には同じ形のくぼみを持たせた。それによってすき間なく並ぶため、シャッターを空けてワークを搬送できる。
こうして完成した製品は、多様な生産パターンに対応できる柔軟性が特徴だ。開発・試作や多品種少量生産では1台で使う。量産の場合は、複数台を連結して使う。自動車部品や油圧・空圧機器メーカーを主要顧客に想定する。5軸MC導入を検討する顧客に、自動化まで一度に実現できると提案する。
(名古屋・戸村智幸)
【製品プロフィル】
5軸MCの利点を理解しつつ、3軸MCで十分と考える顧客が、5軸MCを検討するようになる―。自動化まで実現する今製品は、その呼び水になり得る。米国など海外では周辺機器などと一体納入するエンジニアリング部隊が拡販に意欲的だ。海外は日本よりも5軸MCが普及しており、海外で先に人気となるかもしれない。
(2018/2/1 05:00)
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