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METI Journal×日刊工業新聞/知的財産経営(8)【“埋蔵知財”ひのき舞台に】

(2018/2/7 05:00)

  • 技術系スタートアップ育成へ、マレーシアでファンドと基本合意書締結

【国内初の知財ファンド】

国内の大企業や学術機関などが保有する特許の約半分は休眠状態という。潜在的には高い価値でも未活用の知財は数多い。「知財」「事業」「市場」を結びつけることで、“埋蔵知財”をひのき舞台に送り出すのがIP Bridge(アイピーブリッジ、東京都千代田区、吉井重治社長)。2013年に産業革新機構を中心に設立され、国内初の知財ファンドを運営する。

「ホールドアップ問題」と「ホールドアウト問題」が知財業界で話題を集める。ホールドアップ問題とは、他技術への切り替えが難しい特許を保有する企業が、利用者に著しく高額のロイヤルティーを請求すること。「パテント・トロール」がこれに当てはまる。

一方、ホールドアウト問題とは、利用者が権利者とのライセンス交渉に誠実に応じず、権利侵害を続ける“技術のただ乗り”行為だ。

【ライセンス料−相場観に隔たり】

こうした行為が横行する背景には、権利者と利用者のライセンス料に対する相場観の違いがある。アイピーブリッジは「知財活用を通じてオープンイノベーションを推進することがミッション」(経営企画・知財調達担当ディレクターの藤木実氏)。対話を通じて双方が知財の価値を適切に評価し、ウィン−ウィンの関係を築く。

アイピーブリッジは300億円の知財ファンドを運営。パナソニックやNEC、セイコーエプソン、船井電機などから特許を買い取った。現在は大企業、中小企業、大学などから譲り受けた3500件を超える国内外の特許を保有し、技術領域は移動体通信、半導体、画像符号化装置、ディスプレー、モーターなどを中心とする。

【適正なライセンス契約】

強みは、各分野のプロが集う混成チームだ。大企業の知財部門や投資会社・金融機関の出身者、弁護士、弁理士、CEO(最高経営責任者)経験者など、企業経営を丸ごとサポートできる。徹底した市場調査に基づき知財価値を評価し、利用者に適正なライセンス契約を働きかける。

「ミッションの実現に必要であれば、訴訟を含むいかなるアクションも選択肢になる」(藤木氏)。眠っている権利を流通し、発明者に収益の一部を還元。適正な対価を求めることで、発明者の研究開発投資への意欲を一層引き出す。

*続きはMETI Journalでお読み下さい

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(2018/2/7 05:00)

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