[ 医療・健康・食品 ]

がん臭気をAI判定 東海電子と静岡がんセンター、患者ケア用装置を開発

(2018/2/13 05:00)

  • 「Aino―Pro」

【静岡】東海電子(静岡県富士市、杉本一成社長、0545・67・8988)は、静岡がんセンターと共同で、がん病巣から発する強いにおい成分を人工知能(AI)で臭気判定するポータブルニオイ認識・識別器「Aino―Pro」を開発、プロトタイプを完成した。装置内部のAIで数十種類のにおいが識別ができ、人間の嗅細胞と同様ににおい成分を学習することで可能とした。価格は490万円(消費税抜き)。3月に受注を開始し、年内に15台の販売を目指す。

100種類近くのVOC(揮発性有機化合物)ガスを分離・識別できる高感度で可搬式のガス分離装置(簡易ガスクロマトグラフ)を開発し、AIを搭載した。においを検出するセンサーはPIDセンサーと半導体ガスセンサーを用い、非濃縮ガスで5ppb(ppbは10億分の1)から200ppm(ppmは100万分の1)まで検知できる。検出判定は30分程度。

東海電子は今後無償モニター機を準備し、共同開発する研究所や企業の募集を計画。さらなる高感度センサーと高速判定の開発を進める。20年に食品など産業向けで製品化を目指す。静岡がんセンターでは成分の分析などを進め、適切な患者ケアにつなげる考え。

(2018/2/13 05:00)

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