深層断面／まだやれたのに…下町ボブスレー、五輪に届かず

性能は世界大手と互角

韓国・平昌で９日に冬季五輪が開幕した一方、東京都大田区では一つのプロジェクトが区切りを迎えた。中小企業の技術力が大手企業に負けないことを証明するため、中小約１００社が冬季五輪種目ボブスレーのソリを設計・製造してきた「下町ボブスレーネットワークプロジェクト」だ。２０１６年にジャマイカチームが公式ソリに採用したが、五輪では使われない公算が濃い。７年間に及ぶ中小の挑戦は何を残したのか。（南東京・門脇花梨）

ジャマイカチーム不採用―ラトビア社に乗り換え

「これで使ってもらえなかったら、これから先何を信じたらいいのか分からなくなる」―。下町ボブスレーネットワークプロジェクト推進委員会の初代委員長でゼネラルマネージャーの細貝淳一マテリアル社長は悔しさをにじませる。

１６年１月にジャマイカチーム...