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METI Journal×日刊工業新聞/内なる国際化(7)

(2018/4/3 05:00)

  • 三生医薬の厚原工場(静岡県富士市)

【ローカルな中小からグローバル企業へ】

海外からの直接投資が伸びているものの、その水準自体はまだまだ低い。しかし外資を導入することで、事業承継問題の解決、経営管理の改善、社内人材の成長、モチベーションの向上、海外販路の拡大などのきっかけをつかんだ中小企業も現れている。健康食品や医薬品などの受託製造を手がける三生医薬(静岡県富士市)も、そんな中の一つ。外資導入を機に、ローカルな中小企業からグローバル企業へと発展を遂げようとしている。

【「事業承継」重く…】

「強力な天才肌リーダーがすべてを決め、社員がその指示に正確に従って実行することを徹底して、急激に成長してきた、そんな会社だった」。三生医薬の松村誠一郎会長兼最高経営責任者(CEO)は、2015年2月に就任した当時のことをそう振り返る。同社は93年に創業し、それまでは技術者でもある創業者が1人で経営を引っ張ってきた。創業から20年で売上高を約160億円、従業員数は約600人まで成長させた、素晴らしい創業者経営の成功例。ただ創業者には後継者がおらず、企業が成長するに従い、事業承継問題が重くのしかかっていた。

創業者の決断は、大胆にも米国の投資ファンドであるカーライルグループへの全株式の売却。自ら身を引くとともに、カーライルグループが主導する経営にバトンを渡し、創業者自身が願っていた海外展開を加速、さらなる成長を遂げる道を選んだ。松村会長はカーライルグループのサポートを受けて、外部から次世代を担う経営者として招聘(しょうへい)された。

【外部人材とベテラン経営陣が合体】

創業社長以下、全社員が前だけを見、全速力で急成長させた会社であったため、経営のガバナンス、人事評価・等級制度、教育の仕組みなど、会社の基盤たるさまざまな制度・仕組みが脆弱(ぜいじゃく)だった。社員はトップが決めたことを粛々とこなすという企業文化。それが外資傘下に入ることで、大きな変革を余儀なくされた。松村会長はカーライルグループとともに、CFO(最高財務責任者)や人事、研究開発、生産、営業のトップを次々と社外から採用。これら外部人材と創業以来経営を支えてきたベテラン経営陣とを合体して、多様化した経営陣を創り上げた。

*続きはMETI Journalでお読み下さい

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(2018/4/3 05:00)

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