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(2018/4/4 05:00)
日刊工業新聞社は3日、東京・大手町の経団連会館で「第47回日本産業技術大賞」の贈賞式を開き、最高位の内閣総理大臣賞に輝いた日立製作所と日立産機システムによる「アモルファスモーター一体型オイルフリースクロール圧縮機」をはじめとする3件、計4社を表彰した。
文部科学大臣賞は三菱電機の「スマートメーター通信システムおよび920メガヘルツ無線マルチホップ通信技術」が受賞。エヌ・ピー・シーの「ホットナイフ分離法を用いた太陽光パネルのリサイクル」が審査委員会特別賞を受けた。
贈賞式では原山優子審査委員長(前総合科学技術・イノベーション会議議員)が評価ポイントを紹介。「技術の統合や環境との調和などの観点で評価した」と振り返った。
来賓の水落敏栄文部科学副大臣は「国民生活の向上や世界的な課題の解決に貢献してほしい」と祝辞を贈った。受賞者を代表して日立製作所の東原敏昭社長兼最高経営責任者(CEO)が「日本のモノづくり技術を世界に示していきたい」とあいさつした。
第47回日本産業技術大賞・喜びの声−世界の未来を担う存在に
第47回日本産業技術大賞の祝賀会には受賞者や審査委員、来賓らが多数出席した。文部科学大臣賞を受賞した三菱電機の杉山武史社長が「日本の産業の発展に貢献し、世界の未来を担う存在になれるよう努力を重ねたい」と決意を新たにした。審査委員会特別賞を受けたエヌ・ピー・シーの伊藤雅文社長は「受賞をきっかけに環境保全に貢献していきたい」と意気込みを示した。審査委員を務めた東京理科大学の藤嶋昭前学長・栄誉教授が受賞者の功績をたたえ、乾杯の音頭をとった。
【日立製作所・東原敏昭社長兼最高経営責任者(CEO)/社会の変革推進】
毎年受賞を目標としており、うれしさのあまり、興奮している。受賞した製品は、国際規格で最高レベルの効率を達成したモーターを活用して、小型化と省エネ性能向上を実現した。こうした最先端の技術を真っ先に実用化することは産業界にとっても重要だ。今後も技術開発を通じて、社会イノベーション事業を推進していきたい。
【日立産機システム・荒谷豊社長/全社員に勇気】
受賞製品はアモルファスモーターの開発を日立製作所が手がけ、受賞製品のモーターの量産化や空気圧縮機の製品化を当社が手がけた。アモルファスモーターの高効率とコンパクト化を実現した製品で電機と機械の特長を最大限生かした当社らしい製品といえる。今回の受賞は、初めての受賞であり、全社員を興奮させ、勇気づけられた。
【三菱電機・杉山武史社長/産業発展へ努力】
スマートメーター通信システムは将来の新しい電力システムやサービスの創造につながり、電力関連産業の拡大に貢献できる。多種分野への適用拡大を推進するとともに海外にも広く展開することを計画している。この技術を活用してもらうことで、日本の産業の発展に貢献し世界の未来を担う存在になれるよう努力を重ねたい。
【エヌ・ピー・シー・伊藤雅文社長/環境保全に貢献】
若い技術者が開発に取り組み、ガラスを割らずに太陽光パネルを分離できる方法が分かった時、驚いた。パネルの廃棄が大量発生しても受け入れられる準備を進めていきたい。また、受賞をきっかけに太陽光発電の保守やリサイクルの重要性を知ってもらい、環境保全に貢献していきたい。
(2018/4/4 05:00)