[ 政治・経済 ]
(2018/4/6 09:00)
【ワシントン時事】米商務省が5日発表した2月の貿易統計によると、モノとサービスを合わせた貿易赤字は前月比1.6%増の575億9100万ドル(約6兆1700億円)となり、2008年10月以来9年4カ月ぶりの高水準となった。トランプ米政権は貿易赤字削減を目指しており、中国や日本など巨額の対米黒字を抱える相手国に改善圧力を強める可能性がある。
輸出は1.7%増の2044億ドル、輸入は1.7%増の2620億ドルと、いずれも統計開始以降で最高。好景気を背景に輸入が伸びる傾向が続いており、モノに限った貿易赤字も約9年半ぶりの大きさとなった。
一方、モノの取引で見た対日貿易赤字は前月比2.6%減の55億ドル。赤字の多くを占める自動車関連が減ったことで、2カ月ぶりに縮小した。国別の赤字幅では中国、メキシコに次いで3位となり、前月の2位から後退した。対中赤字は18.6%減の293億ドル。対メキシコの赤字は46.6%増の61億ドルと大幅に増えた。
トランプ政権は、鉄鋼やアルミニウムの輸入制限を発動。最大の赤字相手国の中国には、約1300品目への制裁関税を課す構えだ。今月中旬に予定されている日米首脳会談では「公平で互恵的な貿易」を改めて主張し、日本にも赤字削減を迫る恐れがある。
(2018/4/6 09:00)