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[ 科学技術・大学 ]
(2018/4/23 19:30)
太陽系外から飛来したことが初めて確認された小天体「オウムアムア」は、太陽のような単一の恒星ではなく、二つの恒星から成る連星に惑星が形成される過程ではじき出された可能性が高いと、カナダ・トロント大の研究チームが23日までに英王立天文学会誌に発表した。
オウムアムアは細長い葉巻のような形(長さ約400メートル)で岩石質と推定されている。彗星(すいせい)のような氷が主成分の小天体は、恒星から遠く、冷たい軌道でできることから、オウムアムアは恒星から近い、熱い軌道でできてからはじき出されたと考えられる。
研究チームは、単一の恒星の近くから小天体がはじき飛ばされるためには、大きな惑星の重力の影響を受ける必要があるが、それほどの大惑星が誕生する確率は低いと指摘。シミュレーションの結果、連星の周りに多数の惑星ができ、重力で影響し合ったり衝突したりする過程ではじき飛ばされた可能性が高いと結論付けた。
オウムアムアは昨年9月、太陽に異常な高速で接近した後、軌道を鋭角に変えて遠ざかりつつある。ハワイ大の望遠鏡で発見後、ハッブル宇宙望遠鏡などで集中観測され、初めて太陽系外から来た小天体と認定された。
近年は小さく暗い天体も望遠鏡やカメラの性能向上で観測できるようになった。宇宙には連星が多いことが分かってきており、今後も太陽系外から飛来した小天体の発見が期待されるという。(時事)
(2018/4/23 19:30)