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[ 科学技術・大学 ]
(2018/4/26 05:00)
【名古屋】名古屋大学細胞生理学研究センターの阿部一啓准教授らは、酸を胃の中にくみ出す胃酸分泌を担う胃プロトンポンプを原子レベルで構造解析した。構造解明は世界初という。イオン結合サイトのアミノ酸や構造の違いで強い酸性環境をつくる。胃の内部が酸性になる仕組みが解明され、新しい胃酸抑制剤の開発につながる。
人間由来の培養細胞に、人工的に胃プロトンポンプを発現させて3次元結晶を作成。大型放射光施設(SPring―8)のマイクロフォーカスビーム(マイクロは100万分の1)で結晶構造を解明した。胃酸抑制剤は胃プロトンポンプのイオンの通り道にはまり込んでブロックし、活性を阻害していた。
胃プロトンポンプでは二つのグルタミン酸とプラスに帯電したリジンが近接して水素イオンを保てず、強酸性の胃酸でも水素イオンを胃の中へはじき出す仕組みだった。
(2018/4/26 05:00)