[ ICT ]
(2018/4/30 06:00)
【ニューヨーク時事】ソフトバンクグループ子会社の米携帯電話4位スプリントと同3位TモバイルUSは29日、合併することで合意したと発表した。米規制当局の承認が得られれば、1億2700万人超の契約者を抱え、首位ベライゾン・コミュニケーションズ、2位AT&Tの2強に対抗し得る「第3の勢力」が誕生する。
合併は株式交換方式で行い、Tモバイル株1株につきスプリント株9.75株を割り当てる。新会社の名称は「Tモバイル」で、最高経営責任者(CEO)にはTモバイルのレジャーCEOが就く。
Tモバイル親会社の独通信大手ドイツテレコムが新会社の株式の41.7%、ソフトバンクが27.4%を保有し、経営の主導権はドイツテレコムが握る。ソフトバンクの孫正義会長兼社長とスプリントのクラウレCEOも取締役に就くが、ソフトバンク側は少数派にとどまる。
合併手続きは2019年半ばまでに完了する予定。周波数帯の共有などによるコスト削減効果は年間60億ドル(約6500億円)以上と見込まれている。
スプリントとTモバイルは過去2度にわたり合併を検討したものの、米規制当局の承認が得られなかったり、合併後の経営権をめぐり双方が折り合えなかったりして実現しなかった。
しかし、今後普及が見込まれる次世代通信規格「5G」への投資が大きく膨らむことなどから、生き残りには合併による規模拡大や合理化が必要と判断した。
(2018/4/30 06:00)