[ 科学技術・大学 ]

【電子版】石器時代の人類、巨大ナマケモノを狩る? 1万年以上前の足跡発見

(2018/5/5 08:00)

1万年以上前に人類が集団で巨大な地上性ナマケモノを狩る想像図(英ボーンマス大提供=時事)1万年以上前に人類が集団で巨大な地上性ナマケモノを狩る想像図(英ボーンマス大提供=時事)

  • 1万年以上前の巨大な地上性ナマケモノの足跡に重なった人類の足跡。米ニューメキシコ州のホワイトサンズ国定公園で見つかった(英ボーンマス大提供=時事)

 米南西部ニューメキシコ州のホワイトサンズ国定公園で、1万5000年前から1万年前と推定される巨大な地上性のナマケモノと人類の足跡が発見された。石器時代の人類が集団でナマケモノを追い掛け、狩りを試みたと考えられるという。英ボーンマス大などの研究チームが1日までに米科学誌サイエンス・アドバンシーズに発表した。

 この珍しい足跡が見つかったのは、大昔に湖の底だった地域。ナマケモノの足跡は長さ30-56センチメートル、幅10-35センチメートルで、近くで骨の化石が発見されている絶滅種の「ノスロテリオプス」か「パラミロドン」の可能性がある。

  • 米ニューメキシコ州のホワイトサンズ国定公園で見つかった1万年以上前の巨大な地上性ナマケモノと人類の足跡(英ボーンマス大提供=時事)

 ナマケモノの大きな足跡の中には、人の足跡が重なっているものがあった。人の身長が約140センチメートル、歩幅60センチメートルと推定されるのに対し、ナマケモノの足跡の間隔は80-110センチメートルであるため、ナマケモノが踏み固めた跡を人が意図して追ったとみられる。

 ナマケモノの足跡が途中で乱れていることから、研究チームはナマケモノが後ろ脚で立ち上がって前脚の爪を振りかざし、群がる人に抵抗したとみている。人にとっては手ごわい相手で、狩りが成功したかは分からないという。(時事)

(2018/5/5 08:00)

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