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開発の舞台裏 中小企業優秀新技術・新製品賞(9)優秀賞 RT.ワークス

(2018/5/8 05:00)

高齢者の外出を楽しく

■ロボットアシストウォーカー「RT.2」

  • RT.2の開発陣。介護にとらわれず用途拡大を目指す

RT.ワークス(大阪市東成区)が開発した「RT.2」は、高齢者や介護が必要な人の外出を助ける“歩行支援ロボット”だ。モーターを内蔵した電動アシスト式。加速度などをセンサー群が検知し、上り坂は推進する力を出し、下り坂は減速。起伏のある道を歩く負担を軽減する。増田敏昭社長は介護にとらわれず、用途の拡大を進める。

RT.2は利用者に、「下り坂が楽になる『新鮮味』を感じてもらっている」(鹿山裕介マーケティング部長)という。2015年発売の初代「RT.1」は消費税抜きの価格が23万円弱。これに対してRT.2は転倒時の緊急通知機能などを基本仕様から省きつつ、一体型フレームを採用するなど部品点数を半減。同価格を12万円弱に抑えた。要介護認定を受けている人は、毎月800円以下の自己負担額でRT.2をレンタルできる場合もある。16年7月に発売し、4000台近く販売した。

同社は14年、液晶テレビなどを手がける船井電機から、歩行アシストカート事業をスピンアウト(分離・独立)して設立。事業が軌道に乗りつつある今、次の一手を模索する。17年秋、百貨店の体験イベントコーナーにRT.2が展示された。増田社長は目下、ホームセンターや家電量販店などに「高齢者の健康をテーマにした特設コーナーに展示してもらえないか働きかけている」。

背景にはRT.2を介護用機器に限定するのではなく、高齢者が元気なうちから自らの足で外出する際に使う「電動アシストロボット」として、広く社会に活用してもらいたいとの思いがある。

そのためRT.2はデザインにも力を入れた。シャープで調理家電を担当したことのあるデザイナーに依頼し、明るい雰囲気に仕上げた。高齢者に限らず、「妊娠中の人にも使ってもらえる」。日本は国土の7割を山や丘陵地が占めるだけに、RT.2の可能性は無限だ。(大阪・平岡乾)

(2018/5/8 05:00)

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