[ 政治・経済 ]
(2018/5/13 16:00)
【北京=時事】中国初の国産空母が13日、停泊していた遼寧省大連の造船施設を出て試験航海を始めた。黄海北部や渤海を航行するとみられ、中国国営新華社通信は「主に動力系統などの設備の信頼性を検証する」と伝えた。中国にとって2隻目の空母で、年内にも海軍に引き渡される見通し。当初、就役は2020年といわれていたが、1年前倒しされ、来年になる可能性が高まっている。
遼寧省海事局は18日まで大連沖などに航行禁止区域を設定した。国産空母は大連で建造され、昨年4月に進水式が開かれた。習近平国家主席は7、8の両日に行われた北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との会談に合わせて大連入りしており、習氏が空母を視察したという観測が出ていた。
中国はウクライナから購入した旧ソ連製の船体を改修した初の空母「遼寧」を12年に就役させた。国産空母は遼寧を基に設計され、動力は通常型。スキージャンプ型と呼ばれるそり上がった船首甲板から艦載機が発艦する。
習氏は4月、海南島沖で「遼寧」を含む艦艇による「史上最大規模」の海上閲兵式を挙行。「世界一流の海軍建設に努力しなければならない」と演説した。習指導部は空母打撃群を常時運用するため、5~6隻の空母保有を目指しているとみられている。
「遼寧」は研究や訓練が主な目的だが、国産空母は当初から実戦配備を想定。中国軍は空母運用能力の向上を急いでおり「遼寧」は3月下旬から1カ月にわたり南シナ海や西太平洋などを航行している。
(2018/5/13 16:00)