- トップ
- 科学技術・大学ニュース
- 記事詳細
[ 科学技術・大学 ]
(2018/5/15 06:00)
邪馬台国の有力候補地とされる纒向遺跡(奈良県桜井市)で大量に発掘された桃の種について、放射性炭素年代測定をした結果、西暦135~230年のものとみられることが判明した。同市教育委員会の纒向学研究センターが、14日公表の研究紀要で報告した。248年ごろ没したとされる女王卑弥呼が活動した時代と重なり、邪馬台国の位置をめぐる論争にも影響を与えそうだ。
同センターによると、種は2010年、遺跡中心部の大型建物跡の南側にある、東西約2.2メートル、南北約4.3メートルの穴「土坑」から出土。約2800個が土器や木製品の破片などとともに見つかり、祭祀(さいし)に用いられたとみられている。
年代測定は国内の2研究機関が実施。名古屋大の測定で135~230年ごろのものとされ、別の機関もほぼ同年代と測定した。
大型建物跡周辺は、遺跡が最も栄えた時代に使われた中枢部とみられる。これまでも、出土した土器の形状などから3世紀ごろのものと推定されていた。
同センターの寺沢薫所長は「良好な資料を2カ所の研究機関で調査し、信頼性の高い年代のデータが得られた。これまでの研究結果とも符合し、重要な研究結果だ」と話している。
邪馬台国をめぐっては、畿内説と九州説との間で長年、論争が続いている。(時事)
(2018/5/15 06:00)