[ オピニオン ]
(2018/6/19 05:00)
地下街は飲食、日用品、雑貨などの店舗がコンパクトにまとまり便利だが、結構階段が多く、バリアフリーといい難い。ならばと、名古屋を代表する商業エリア・栄にある地下街「サカエチカ」では、傾斜エレベーターの運用を始めた。
傾斜エレベーターはその名の通り、傾斜面での移動に利用する昇降機。山や斜面に設けられた建物への移動に使われることが多い。山あいの観光地で乗ったことがある人もいるだろう。地下街に設置したのはサカエチカが全国で初めて。
傾斜エレベーターは地下鉄東山線栄駅と地下街をつなぐ、連絡階段に設けた。定員は9人。ガラス張りの外観で、傾斜角度33度の階段を自動運転で昇降する。
2019年11月に開業50年を迎えるサカエチカは「地下のまち」づくりを目指し、初めての大がかりなリニューアル工事が進行中だ。安全と快適さは街づくりの基本。バリアフリー化は、地下街の店舗関係者らの強い要望でもあった。
改装計画では、このほかにも大型発光ダイオード(LED)パネルによる映像演出など最新技術を随所に盛り込んでいる。進化した地下街を楽しみにしながらも、昭和のレトロな雰囲気がなくなりそうなのは、ちょっと寂しい気がするが…。
(2018/6/19 05:00)