[ オピニオン ]
(2018/6/18 05:00)
世界遺産の白川郷を訪れた。小高い丘から見下ろした山間にある合掌造りの集落は掛け軸に描かれた水墨画のようで、世界に誇る日本の財産と感じさせられる。
ただ集落に入ると、印象が変わる。にぎわう人たちの間では主に中国語、さらに英語、韓国語なども飛び交う。その光景は香港、上海にある繁華街の雰囲気に近い。
「おわら風の盆」で知られる越中八尾で、外国人向けの観光拠点を運営するオズリンクス。経営者の原井紗友里さんは「“リアル・ジャパン”が見たいお客さんが増えている」と話す。日本を訪れているのに、日本語以外の外国語を聞くのに困惑しているという。
彼らは田んぼのあぜ道を自転車で走ったり、ランドセルを背負った登下校の子供たちの姿を見たりなど、日本人が日常で目にする風景を見て、とても喜ぶとか。ありのままの日本の姿はそれだけで魅力があり、外国人観光客を増やすヒントになる。
国会でカジノ法案の審議が進んでいる。外国人観光客の増加につながるカジノを合法化して導入する狙いだが、ギャンブル依存症やマネーロンダリング(資金洗浄)などが懸念される。カジノに頼らずとも、観光客を日本に呼び込む方法がほかにもある気がする。
(2018/6/18 05:00)