[ オピニオン ]
(2018/6/27 05:00)
18日朝に大阪府北部を震源に起きた最大震度6弱の地震は、日本を代表する大都市の「大阪」に防災のさらなる準備が欠かせないことを浮き彫りにした。関西の経済界は、アジアをはじめとした世界と結びつき成長を模索している。国際イベント誘致に積極的なほか、訪日外国人の人気が高い地域でもある。世界から人、モノ、資金を一層呼び込めるよう、今回の経験を防災、減災のまちづくりに生かしたい。
大阪北部地震により5人が亡くなった。発生当初と比べて避難者は減ったものの大阪府や京都府などには、まだ自宅に戻れない人がいる。一方、24日夜、都市ガスが復旧し電力などとともにインフラは回復した。
経済産業省の報告によると、モノづくりは中小企業を中心に工場や生産設備へ影響が残る。世耕弘成経産相は25日に大阪商工会議所を訪れ、被災による休業から資金繰りが悪化することを懸念し「対策に万全を期したい」と表明した。出先機関の近畿経済産業局を中心に、「マンツーマン方式で対応」する。
2011年3月11日に起きた東日本大震災は、サプライチェーン(SC)への影響が深刻だった。大手メーカーはSCを担う企業の支援を進めた。今回被害はあるものの、SCに大きな影響があるとの声は現在のところ聞こえてこない。大阪は関東に比べ地震が少なく“揺れに不慣れ”といわれる。企業や従業員は“その時”どう動いたか。経済界全体として情報を共有し、事業継続計画(BCP)へ反映が欠かせない。
まちづくりにも地震の経験を生かす余地がありそうだ。大阪や京都は、東京と肩を並べる外国人に人気の観光地域。19年6月に開かれる20カ国・地域首脳会議の会場は大阪。名乗りを上げる25年国際博覧会(万博)は、11月の開催地決定に向け正念場だ。「自然災害は、どの国にもある」(大阪府の松井一郎知事)だけに、地震国として多くの知見を生かせる。大阪・関西をさらに魅力のある地域にするため、強靱(きょうじん)かつ、しなやかなまちづくりを進めたい。
(2018/6/27 05:00)
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