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(2018/7/16 05:00)
内閣府は西日本豪雨により京都府福知山市大江町で発生した土砂崩れについて、山間部でも通信可能な無線システムを活用した監視を開始した。土砂崩れで河川がせき止められてできた天然ダムの近くに定点カメラを設置し、リアルタイムで映像を発信、決壊の兆候などを観測して防災に利用する。水を抜く作業が終わり、決壊の恐れがなくなるまでは同システムでの監視を継続する見込みだ。
内閣府が主導する研究開発事業「革新的研究開発推進プログラム」(ImPACT)のうち、原田博司プログラム・マネージャー(PM)が開発した「長距離多段中継無線通信システム」を活用する。本来は在宅時における個人の生体情報を発信し、健康情報を拠点病院が活用する目的で開発が進められたが、国土交通省の近畿地方整備局の要請で設置を決めた。
災害が発生した天然ダム近くに中継機とカメラを取り付け、800メートル離れた場所に無線機を設置。山間部のような無線通信が困難な環境でも、低い周波数帯域の電波と中継機を利用することで通信を可能にした。
映像は近畿地方整備局のほか、災害用の衛星を介して京都府や福知山市、国土交通省にも配信される。
今後、他の災害発生地域から申し入れがあれば、応じる考えだ。
(2018/7/16 05:00)