[ 政治・経済 ]
(2018/9/8 07:00)
【ワシントン=時事】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は6日、トランプ大統領が巨額の対日貿易赤字を問題視し、日本を標的に是正を迫る可能性があると報じた。安倍晋三首相とは「蜜月」の関係を保っているとされるが、トランプ氏は同紙編集者との電話で「日本がどれだけ(米国に代償を)支払わなければならないかを伝えた途端、(良好な関係は)終わる」と述べ、厳しい態度で臨む姿勢をにじませたという。
日米首脳間の関係をめぐっては、米紙が先月、トランプ氏が6月の会談で対日貿易赤字を持ち出し、「私は真珠湾を忘れない」と強い不満を示したと報道。関係が揺らいでいるとの見方もくすぶっている。
2017年の対日貿易赤字は689億ドル(約7兆6000億円)。赤字幅の国別順位では中国、メキシコに次ぐ3位。トランプ政権は自動車分野の対日赤字を問題にしており、月内に予定されている日米貿易協議で自動車への追加関税をちらつかせて改善を迫る可能性もある。
トランプ氏は貿易赤字を「悪」と捉え、中国や欧州連合(EU)などに制裁関税を次々と仕掛け、改善要求を突き付けている。しかし景気拡大に伴う内需拡大で輸入が伸び、貿易赤字はむしろ拡大傾向にある。
(2018/9/8 07:00)