[ ICT ]
(2018/12/6 12:30)
【ニューヨーク、北京=時事】カナダの司法当局は6日までに、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)を逮捕した。カナダ紙グローブ・アンド・メール(電子版)などによると、イランへの制裁違反の疑いで捜査している米国当局の要請に応じた措置という。米中は1日の首脳会談で貿易戦争の「一時休戦」を決めたばかりだが、新たな火種となりそうだ。
華為は6日にコメントを発表し、孟氏がカナダで拘束されたことを確認するとともに「華為は輸出規制や制裁を含む各国の法律を順守している」と強調。在カナダ中国大使館も「著しく人権を侵害するような行為に断固反発し、強く抗議する」との声明を発表し、同氏の釈放を求めた。
華為創業者の娘である孟氏は1日にバンクーバーで逮捕されたという。米国は身柄の引き渡しを求めている。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは4月、イラン制裁に違反して製品を輸出した疑いで、米司法省が同社を調査していると報じていた。
米政府は安全保障上の懸念から、中国の通信機器大手への警戒を強めている。商務省は4月、イランなどへの禁輸措置の違反に絡み、中興通訊(ZTE)に制裁を発動。巨額の罰金支払いや経営陣の刷新などを条件に制裁を解除した。
米中は今後、知的財産権の侵害などの協議を本格化させる。華為幹部の逮捕で米中の緊張が再び高まれば、来年2月末を期限とする協議にも影響が及びそうだ。
(2018/12/6 12:30)