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[ エレクトロニクス ]
(2018/12/22 07:00)
【台北=時事】台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業グループが、マカオに隣接する中国広東省珠海市に大規模な半導体工場を新設する計画を進めていることが21日、分かった。新工場には子会社のシャープが持つ半導体技術を活用する見通しで、建設に向けて地元当局と最終調整を進めているもようだ。投資額は未定だが、1兆円規模に上る可能性がある。
ホンハイと珠海市は今年8月、半導体設計業務や設備などの分野で戦略提携に調印した。中国はハイテク産業育成策「中国製造2025」で、半導体の国産化を強力に進めており、ホンハイは中国の国策に協力する格好だ。米国はハイテク覇権を争う中国の同政策を問題視しており、日台を巻き込んで新たな火種に発展する恐れもある。
新工場には、地元当局から多額の補助金や税制優遇策などが提供される見通し。需要の急増が見込まれるIoT(モノのインターネット)や第5世代通信(5G)、人工知能(AI)向けの半導体を製造する最先端工場になりそうだ。
ホンハイの郭台銘会長は戦略提携の調印式で、「珠海との協力関係を深め、全力で提携項目の実現を進める」と表明していた。子会社のシャープは半導体の設計・開発技術を持ち、広島県の福山工場などで液晶パネル向け半導体を製造している。
(2018/12/22 07:00)