[ オピニオン ]
(2019/1/21 05:00)
工事現場で建設ロボットの試行運用が増えている。実際に現場を見ると、変化や新たな発見があり、人とロボットの協働作業に新たな可能性を感じる。
例えば、鹿島は生産プロセスを変革する「スマート生産ビジョン」を策定。名古屋市中区の新築ビル工事で施工ロボットや管理ツールなど18に上る技術・システムを運用し、溶接ロボットの上向き溶接が「初めて人より安くできた」(伊藤仁常務執行役員)と喜ぶ。
ロボット普及の条件は「人間より安く、夜間に自動で作業する二つ」(同)。今後、溶接作業者不足の解消に向け、協力会社などで溶接ロボットの活用が期待される。
清水建設は大阪のホテル工事現場に次世代建築生産システム「シミズ・スマート・サイト」を初適用し、ロボットが資材搬送、天井ボード貼り付け作業を行う。この現場にはタブレット端末を使い、資材搬送ロボットを自在に操る「ロボットオペレーター職長」が登場した。
「若いころからタブレット端末を使いこなし、当社社員より早く覚えてしまった」(印藤正裕常務執行役員)と驚く。今後、試行前に考えつかなかった新たな職種が生まれるかもしれない。ロボット試行がもたらす現場の変化や進化に注視したい。
(2019/1/21 05:00)