[ オピニオン ]
(2019/4/5 05:00)
まさに「三人寄れば文殊の知恵」。とあるワークショップをのぞいて、そんな感慨を抱いた。
参加したのは、日本を代表する企業10社の若手・中堅社員約50人。会社の壁を超え10チームを結成し、約半年にわたり国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」各項目の課題解決に向けたビジネスモデルを練り上げた。
先進国での廃棄食料を有機肥料化、途上国での農業発展につなげる。ネット上で学びあい、対価を途上国支援NPOに寄付する。家庭用ロボットが持ち物の利用状況を見て、不用品のリサイクル・売却の自動提案や必要な人とのマッチングを行う―などだ。
「日本の組織は縦割りで、皆が協力して物事に取り組んでいない」。主催者のシンギュラリティ大学ジャパン/一般社団法人21Foundation代表のパトリック・ニュウエルさんは、課題を指摘しつつ専門や立場の異なる人同士の協働による「クリエーティブ・コレクティブ・インテリジェンス」(創造的な集合知)の重要性を強調する。
革新的なイノベーションが企業の至上命題であるものの、はやりの人工知能(AI)が現実社会の難題をすべて解決してくれるわけでもない。多様な協働を通して人間がやれることはまだまだある。
(2019/4/5 05:00)