[ ICT ]
(2019/4/30 05:00)
中国の華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)は第5世代通信(5G)技術で主導権を握ろうとしている。その目的達成のため、同社は研究開発に多額の資金を投じている。華為の増額ペースについていくことができる企業はほとんどない。
華為は昨年、研究開発に153億ドル(約1兆7100億円)を投じた。2014年比で2倍超に上り、世界上位10社の中でこの伸びを上回るのは米アマゾン・ドット・コムだけだ。
5G技術での優位性を高めることを狙った華為の研究開発費の急増で、米政府は警戒を強める公算が大きい。トランプ政権は華為がスパイ活動で中国政府を支援していると批判。5Gから同社を排除するよう世界で呼び掛けている。華為側はスパイ行為への関与を繰り返し否定している。
華為はモバイルやクラウドサービス、半導体にまで積極的に進出している。ブルームバーグの集計データによると、金額ベースでは同社の18年の研究開発費がアマゾンとアルファベット、サムスン電子に次ぐ4位だった。
華為の昨年の研究開発予算は14年比で149%増と、アップルやマイクロソフト、サムスンを上回る。同社を上回るペースで研究開発費を拡大したのは同じ期間に210%増やしたアマゾンだけだ。
テレコム担当コンサルタントで、業界ウェブサイト「飛象網」の会長を務める項立剛氏は「華為のこれまでのビジネス上の成果は多額の研究開発予算によるところが大きい」と指摘。「研究開発費は同社の競争力を大きく向上させてきた」と話した。
華為の18年の研究開発費は売上高の14%を占めており、上位6社で見るとアルファベットに次いで2位だった。(ブルームバーグ)
(2019/4/30 05:00)